C++でパーティションを実装する
高速ソートアルゴリズムに関して、今回はパーティションを実装します。パーティションはクイックソートで利用されています。
流れとしては、パーティションの説明と実装の後、最後に問題を1題解いてみます。
目標
パーティションを実装できるようになる
パーティションとは
パーティションは、配列の末尾の要素を基準として、それ以下の大きさの要素とそれより大きい要素に分けるアルゴリズムです。末尾の要素をxとすると、x以下の要素を格納している領域とxより大きい要素を格納する領域を後方へ拡大していくイメージです。インデックスp~iは前者、インデックスi+1~j-1は後者の領域になっています。だいたい下のような感じです。
アルゴリズム
- iをp-1、jをpにセットする。配列の末尾の要素をxとする。
- 以下jがr-1に達するまでを繰り返す:
- jの位置にある要素がxより大きいならば、jを1大きくする。要素jがx以下ならば、iを1大きくしてから要素iと要素jを交換し、最後にjを1進める。
- 最後に、要素i+1と末尾を交換する。
要するに、配列の先頭から順番に大きさを検討して、x以下ならば「x以下のグループ」に、xより大きいならば「xより大きいグループ」に移動していくと言うことです。
計算量はですね。
実装してみた
与えられた配列Aに対してパーティション処理を行う関数を定義しています。なお、基準となる要素(もともと末尾であった要素)のインデックスを返します。
int partition(int A[], int p, int r) { int i, j, x, tmp; // initialize i = p - 1; x = A[r]; for (j = p; j < r; j++) { if (A[j] <= x) { i++; // exchange tmp = A[i]; A[i] = A[j]; A[j] = tmp; } } // exchange tmp = A[i+1]; A[i+1] = A[r]; A[r] = tmp; return i+1; }
問題を解く
上で定義した関数を用いて、Aizu Online Judgeの問題を解きます。
http://judge.u-aizu.ac.jp/onlinejudge/description.jsp?id=ALDS1_6_B
解答例:
#include<iostream> #include<cstdio> using namespace std; int partition(int A[], int p, int r) { int i, j, x, tmp; // initialize i = p - 1; x = A[r]; for (j = p; j < r; j++) { if (A[j] <= x) { i++; // exchange tmp = A[i]; A[i] = A[j]; A[j] = tmp; } } // exchange tmp = A[i+1]; A[i+1] = A[r]; A[r] = tmp; return i+1; } int main() { int i, n, A[100000], x_idx; cin >> n; for (i = 0; i < n; i++) scanf("%d", &A[i]); x_idx = partition(A, 0, n-1); for (i = 0; i < n; i++) { if (i > 0) printf(" "); if (i == x_idx) printf("[%d]", A[i]); else printf("%d", A[i]); } cout << endl; return 0; }
参考
渡部有隆. プログラミングコンテスト攻略のためのアルゴリズムとデータ構造. Ozy, 秋葉拓哉協力. 株式会社マイナビ. 2015.